adtec-logo

人と動物の調和を求めて アドテック株式会社

トップ>商品情報 >検査のご案内(イヌ・ネコ) > 特殊検査

特殊検査

バベシア感染症検査(PCR抗原検査)
 犬のバベシア感染症はマダニによって媒介されるバベシア原虫が赤血球内に寄生することにより起こる疾患で、 溶血性貧血を主徴とする病態が認められます。貧血の他、発熱、黄疸、脾腫などがみられ重篤な感染例では死に 至ることもあるため、早期の的確な診断と治療が必要です。通常は血液塗抹標本の観察により赤血球内の原虫を 確認することでバベシア感染症と診断しますが、鏡検による検出法では陽性症例において必ずしも血液塗抹標本中 に感染赤血球を検出できるわけではありません。日本では特にB.gibsoniが臨床上問題となり、西日本地域以外にも 最近では東日本においても発生が報告されています。また、B.canisにおいても沖縄などでの発生が認められています。  抗バベシア抗体の上昇は早くても1週間以上かかるため、感染初期で抗体の上昇が十分でないケースでは 抗体検査において急性期の感染を検出できない可能性がありますが、PCR抗原検査を実施することで 早期診断が可能になり、的確な治療に役立てることができます。さらに、PCR陰性の場合の重度貧血において 免疫介在性溶血性貧血(AIHA)と診断されたケースでは、免疫抑制剤使用の選択の一助と成り得ます。病歴や臨床症状からバベシア感染症を疑う場合の早期診断として本検査をぜひご利用ください。なお、この PCR検査には帯広畜産大学原虫病研究センターで開発されたプライマーを使用しています。

図 PCR-SSCP解析によるMDR1遺伝子型の判定例


引用文献
1) Birkenheuer AJ.,Levy MG.,Breitschwerdt EB.:Development and evaluation of a seminested PCR for detection and differentiation of Babesia gibsoni (Asian genotype) and B. canis DNA in canine blood samples. J Clin Microbiol. Sep;41(9),4172-7(2003) 2)Fukumoto, S., X. Xuan, S. Shigeno, E. Kimbita, I. Igarashi, H. Nagasawa, K. Fujisaki, and T. Mikami. :Development of a polymerase chain reaction method for diagnosing Babesia gibsoni :infection in dogs.J.Vet.Med.Sci.63:977-981(2001)

特殊検査

MDR1検査(PCR検査)
コリー、シェットランドシープドック、オーストラリアンシェパードなどの一部の犬種においては、フィラリア予防薬や毛包虫症などの寄生虫駆除薬として 使用されているイベルメクチンに対して感受性の高い個体が存在することが知られており、神経症状(昏睡、麻痺)やアナフィラキシーショックを起こすケースが 報告されています。このイベルメクチン感受性の犬種はMDR1(multidrug resistance 1)遺伝子の4塩基欠失によりP糖蛋白(p-gp)が欠損あるいは発現が 低いと想定されています。p-gpは脳の毛細血管内皮に発現しているため、これらMDR1遺伝子変異犬にイベルメクチンを投与すると、バリアシステムとしての 血液脳関門を通過しやすくなり通常よりも多くの薬物量が体内に入るため、神経症状を呈するものと考えられています。また、p-gpは消化管、骨髄幹細胞など にも発現しており細胞質内の薬剤を細胞外へ排泄する機能を担っています。イベルメクチンの他にも一部の抗癌剤、免疫抑制剤、抗菌薬などにおいてp-gpの基質 薬剤が知られており、MDR1遺伝子変異した感受性犬にこれら薬剤を投与した場合には中毒症状を起こす可能性が示唆されています。
表1 p-gpの基質となる代表的な薬剤8)
抗菌剤 エリスロマイシン
抗癌剤  ビンクリスチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン
免疫抑制剤  シクロスポリンA、タクロリムス
ステロイド デキサメサゾン、ヒドロコルチソン
消化管治療薬 ロペラミド
循環器治療薬 キニジン、ジゴキシン

MDR1遺伝子型判定のためのPCR-SSCP(polymerase chain reaction single strand conformation polymorphism)により、あらかじめ MDR1遺伝子変異の有無を調べることにより、MDR1遺伝子欠損犬でのこれら対象薬剤を使用する際の副作用予測や用量調整に役立つものと考えられます。

図 PCR-SSCP解析によるMDR1遺伝子型の判定例


A遺伝子変異あり(ホモ接合体):56bp、遺伝子欠損をホモ(両側)にもつため重篤な副作用が出やすい B遺伝子変異なし:60bp C遺伝子変異あり(ヘテロ接合体):60bpおよび56bp、遺伝子欠損をヘテロ(片側)にもち副作用発現の可能性が高い

引用文献
1) Hadrick,M.K..,Bush,S.E.et.al: Ivermectin toxicosis in two Australian shepherds,Am.Med.,206, 1147-1152(1995) 2) Pullium,J.D.,Swward,R.et al: Investigating ivermectin toxicity in collies,Vet.Med.,7,33-40 (1985) 3) Kawabata,A.,Momoi,Y.,Inoue-Murayama,M.,Iwasaki,T.,: Canine mdr1 Gene Mutation in Japan,J.Vet.Med.Sci.,67(11), 1103-1107(2005) 4) 古籐久雄,松浦忍,瀬戸口明日香,藤野泰人,大野耕一,辻本元:コリー・シェットランドシープドック系犬種におけるMDR1遺伝子変異と臨床上の問題,第26回動物臨床医学会,一般講演36,135-138(2005) 5) Mealey,KL.,Bentjen,SA.et al: Ivermectin sensitivity in Collies is associated with a deletion mutation of the mdr1 gene,Pharmacogenetics,11,727-733(2001) 6) Roulet A.,Puel O.et al: MDR1-deficient genotype in Collie dogs hypersensitive to the P-glycoprotein substrate ivermectin,Eur.J.Pharmacol,460,85-91(2003) 7) Drach,D.,Zhao,S.,et al: Subpopulations of normal peripheral blood and bone marrow cells Express a functional multidrug resistant phenotype,Blood,88,1147-1754(1996) 8) 川畑明紀子,山岸千恵,桃井康行,岩崎利郎:イベルメクチンによる副作用の遺伝子診断による予測,MVM,89,76-79(2006) 9) 桃井康行監訳:牧羊犬種における薬物有害反応:P糖タンパクの役割,J-Vet,7,28-38(2006) 10)川端明紀子,桃井広康,山岸千恵,岩崎利郎:イベルメクチン中毒を引き起こす遺伝子 - MDR1遺伝子,ViVeD、8,309-312(2006)
ページのトップへ戻る